なぜブロックチェーン技術が原産地偽装対策に有効なのか

トランプ大統領が米国の輸入品に対して大規模な関税を課す計画を発表したことにより他国も報復措置を示唆し世界的な貿易戦争の可能性が高まってきました。
このような状況下で企業が関税を回避するために関税の低い国で製品を組み立てたり包装したりして原産地を偽装するリスクが懸念されています。

こうしたリスクに対応する手段として
トゥルービットの最高技術責任者であるフェデリコ・カッタン氏はブロックチェーン技術が商品の出所や流通経路を証明するのに非常に有効であると指摘しています。
ブロックチェーンはすべての取引を改ざん不可能な公開台帳に記録するため関税の公正な適用を担保する手段となり得ます。
これにより企業が原産地を偽装して関税逃れを行おうとする場合でも実態を明らかにすることが可能となります。

またトゥルービットは米国政府にサービスを提供するソフトウェアベンダーと協議を進めておりEUの資金によるプロジェクトにも参加しています。
これらの取り組みを通じてWeb3技術を国際的なサプライチェーンに応用する可能性を模索しています。CEOであるジェイソン・トイチュ氏は「現時点では政府と直接話しているわけではないが政府と連携を試みるソフトウェア企業と話をしている」と語っています。

一方で仮想通貨業界の他の幹部からは関税政策がブロックチェーンネットワークの安定性や利用者のアクセスに深刻なリスクをもたらすとの懸念も示されており
ネットワークの物理的インフラが寸断され規制が断片化することにより利用者の検閲リスクが高まる可能性が指摘されています。
コンクリート＆グローファイナンスのCEOであるニコラス・ロバーツハントリー氏は「強引な関税や報復的な貿易政策はノード運営者やバリデーターといったブロックチェーンの中核的な参加者に障害をもたらしかねない」と述べています。